Melted Brainの作り方

デブサミ2008の平鍋さんの講演でメアリーポペンディックさんの本からの引用で「Melted Brain」という話があった。

「ビジネス的な事」と「技術的な事」。これらは基本的にとても性質の違うもので、専門家も別々の場合が多い。しかしながら、ソフトウェア開発に本当に必要なのは、これらの通常別々の脳で考えられる二つの事柄を「ひとつの脳」でできる人物ではないか、という話だ。2つの脳がひとつの脳の中で溶け合うという表現だろう。

この話を聞いた時、以前から僕の頭の中にあった考えと非常に強い関連性があるのがわかった。

ソフトウェア業界では営業と技術(開発)との距離が遠いのは知っていた。そこで僕が考えていたのは

「いかに営業といえども、やっぱり開発を十分経験した人がするのが ベストだろう。
 そして開発も時には営業をすべきだ。 」

ということだ。

しかしながら、営業には営業に適した特性、開発には開発に適した特性があり それはまったく異なることも事実だ。なので専任者はそれぞれ置くべきだが、 営業と開発の中間に、営業と開発を適当な周期でローテーションするような役の人がいたりすると理想的だと思っていたのだ。

この人たちは通常の技術営業のように「単に技術を知っている営業」というのではない。
営業の時は実際に営業をし、開発の時は実際に開発を行う。実際に体を使って営業と開発を実践するのだ。
なぜならば、やはり知識だけでは足りない。 どちらも実践して初めて見えることの方が大切な部分が多いと僕は思うからだ。

彼らを適当な周期でローテーションさせることで、 営業の空気(マインドや仕事に対する考え方など)と開発の空気を混ぜることが一番の目的です。
彼らが実際に業務を通して双方の空気を伝え合うのです。 営業という歯車と開発という歯車の潤滑油のようになる感じです。

いや潤滑油なんてあまっちょろいものではない。なんていうのかな・・・媒体とも呼ぶべきか。

営業のエネルギーを開発にフィットするエネルギーに、
開発のエネルギーを営業にフィットするエネルギーに、
それぞれトランスフォームして双方に注入する役割だ!

と考えていたのだが、僕が考えていた話はMelted Brainの作り方とも言えるのではないだろうかとふと思った。
僕が考えていることが実際にいろんなところで考えられている。僕の考えとそれらがつながっていく。こんなに楽しいことはないな。